効率の良い賢い借り換え方法は?

賢い借り換え

 

 

借り換えの3つのパターン

 

賢い借り換えパターン

 

総返済額を減らすために借り換える

借り換え3つの目的のうちの1つが、「総返済額を抑える」ことです。固定→固定、5年固定→5年固定など、同じ金利タイプで金利の低いものへの借り換えが該当します。

 

現在のローン残高が2000万円あって、残返済期問も20年あったとします。今のまま長期固定4.5%で惜り続けた場合の毎月の返済額は12万6529円。総返済額は3037万円です。これを、金利3.5%の長期固定に、期間20年で借換えたとすると、月返済額は11万5991円。総返済額は2784万円となり、借換えコスト50万円をプラスしても、200万円強の借換えメリットがあります。

 

実は借り換えにはもう1つ、毎回の返済額を変えずに期間を短縮して行うものもあるのですが、その場合は、金利が3.5%だと、返済期間は17年9ヶ月に短縮し、総返済額は2688万円、借り換えコストをプラスしても、約298万円の借り換えメリットが出ます。総遮済額でのメリットは期間を短縮する方が出ますが、今後、子供の教育資金など家計負担が大きくなる時期が控えているなら、毎回の返済額を軽減する方を選択しておくと無難です。

 

ところで、「借り換えは、金利差1%、残債500万円以上、残返済期間5年以上でないとメリットがない」といわれますが、今は保証料がかからない金融機関もあって、このラインはいえなくなっています。そのため、シミュレーションをしてメリットの有無を確かめて、借換えをすべきです。また、この目的で借換えを行う場合、いくら金利差が大きくても、固定→短期回1定のように固定期問が短くなるものへの変更は、金利変動リスクが大きくなるので、注意が必要です。

 

金利上昇のリスクに備えて借り換える

「金利上昇リスクを回避する」これも借換えによって得られるメリットの1つです。金利上昇が懸念される最近は、それを目的として借換えを行う人も少なくはありません。

 

長期返済の住宅ローンを変動金利や固定金利選択型で借りている人は、金利上昇リスクを負っているといえますが、このリスクを回避する方法として、1つは金利が上がったときに返済額を抑えるための繰上返済用貯蓄をしておくことが挙げられます。もう1つの方法が、ここで紹介している「長期固定もしくは固定期間が今より長いものへ借換えること」です。

 

現在のローン残高2000万円、残返済期問は20年。3年固定金利で、現在は2%が適用され、返済は月10万7730円。3年後に次の見直しが来るのですが、金利が4%に上がれば返済額は1万7091円アップし、6%に上がれば3万5748円アップしてしまいます。この金利変動リスクを回避するために、3.5%の長期固定に憺換えた場合を見てみましょう。毎月の返済額は11万5992円となり月返済額は1万4815円アップしますが、今後、固定期問が切れるごとにやってくる金利変勁の不安はなくなります。金利アップ時に返済額を引き下げるための繰上返済用貯蓄も必要がなくなります。

 

「金利上昇リスクを可避する」目的で行う借換えのタイミングとしては、新たに借りる長期固定の金利が上がりそうな気配を見せたときがベストです。「金利優遇が大きい問は、当初固定期間が終了するまでは今のまま借りておいて、金利が上がったら借換えるjと考える人もいますが、そのときには借換える先の金利がアップしている可能性もあるので注意しましょう。

 

 

毎月の返済額を減らすために借り換える

借り換えの3つ目の目的として挙げられるのは、「現在の毎月の返済額を引下げる」ことです。子供の教育資金がかかるようになったことで家計の支出が増えた、あるいは、残業代が削減されたり、転職をした、妻が仕事を辞めた、などの理由で収入が減った場合などに、こうした借り換えのニーズが発生します。

 

場合によっては、変動金利型や固定金利選択型などで借りていて、金利見直し後の返済がきつくなった……という人も、「毎月の返済額を減らす」ための借換えを希望することがあります。現在のローン残高2000万円、残返済期問は20年。10年固定金利選択型で惜りていて、現在7年目にあたる人のケースです。固定期間はあと3年あるのですが、家計の変化で毎月の返済額がきつくなってしまい、すぐにも返済額を引下げたいという希望です。

 

3年固定金利選択後、金利1%の住宅ローンに借り換えました。通常、元のローンの残返済期間を延ばして新たなローンを組むことはできません(一部例外商品もあります)。そのため、期間20年でシミュレーションしています。惜換えコストとして50万円はかかるものの、借換えの結果、返済額は月9万1979円となり、2.4万円のダウンとなり、家計は当面はだいぶラクになります。

 

ただし、この借り換えは、あくまでも一時しのぎにすぎず、ごのケースだと4年目に金利変動があることは忘れてはいけません。その間に、収入アップを図るなどで金利変動の影響に対する改善策をとっておかなければ、先々住宅ローン返済に追われて立ち行かなくなる可能性もあるので注意しましょう。


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